第二章 ポストゲノムを超える生命現象の鍵
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「糖」と言えば、誰でもあの甘い「砂糖」を思い浮かべます。しかし「糖鎖」はこれに似て非なるものです。砂糖はブドウ糖と果糖が結びついてできたものですが、糖鎖はガラクトース、マンノース、フコースなど、普段私たちには馴染みの薄い単糖が8個、鎖状に連なったものをいいます。
2003年に「ヒトゲノムの解読が完了した」と発表されましたが、生命現象の全ての謎が解明されたわけではありません。しかし「糖鎖」の登場によって、極めて近い将来、生命現象の鍵が解かれるかもしれません。
私たちの身体の細胞表面(細胞膜)は滑らかですが、よく見ると産毛のようなヒゲが突起状に出ています。これが「糖鎖」です。これらは途中でいくつにも枝分かれしており、その根元は細胞膜に埋め込まれ、たんぱく質や脂質と結びついています。
糖鎖はまさに「細胞の顔」とも言われ、細胞の表面にあって様々な情報をキャッチして識別したり、情報を伝達したりするのみならず、卵子や精子が出会う受精の現場にも深い関わりを持っています。また「ABO式血液型」も赤血球表面の糖鎖の形によって分類されることが判っています。更に糖鎖は、核酸、たんぱく質に次ぐ「第3の生命鎖」とも言われ、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)の構成要素であり、エネルギー源でもあることが判ってきました。
体をつくるときも糖鎖は重要な役割をもっています。勿論、脳が正常につくられ、機能するためにも必要です。ヒトの脳では、数千億個の神経細胞が神経回路を形成して情報を処理しています。この情報は神経細胞(組織)の中を電気信号(インパルス)として伝達されます。これに糖鎖が関わることで情報の伝達が容易かつ速やかになるのです。
【糖鎖工学の応用】 |
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